<2001年トルコ製>NO.4
リーバイスは世界中で製造され、各国ならではの特徴を感じられるところも魅力の一つです。
このトルコ製のリーバイスは、本社がベルギーにあることで知られています。ヨーロッパで生産されたリーバイスは、「ユーロリーバイス」と呼ばれ、このトルコ製品もヨーロッパ製造特性を色濃く示しています。
秋冬に合わせ、チャコール系の1本を製作するために選んだジーンズは、ブラックデニムの後染めタイプ。
のっぺりとした色落ちですが、実はこの後染めタイプが私は好きなんです。
なぜかと言うと、先染めの場合、黒と白のチラつきが目立ち、ケミカルウォッシュな印象を与えることがあるからです。
それに比べ後染めタイプは、全体的に均一に色が落ち、ヒザの当たりやヒゲなどの派手さが見られない。ブラックデニムに関して言えば、そこが格好良さを引き立てていると思うのです(もちろん、これは主観的な意見です)。
そして、ブラックジーンズといえば、90年代のファッションアイコン、ケイト・モス。かっこ良かったですよね。シンプル&ミニマルの先駆け。そのトレンドは最近になって再び注目を集めています。
ブラックジーンズはブルージーンズと比べて、少数しか製造されていないため、古着屋では価格が高めで、入手が難しい。今回もやっとこの1本!というものと出会えました。
ジーンズのモデルは505
ジーンズ愛好者の中ではおなじみですが、今一度おさらいをしてみましょう。
501といえば、リーバイスの定番中の定番。太ももから裾にかけてストレートのシルエットが特徴です。対照的に、505は裾に向かってテーパードがかかったスリムなシルエットです。ファッションアイテムとして製作されたと言われていますから、近年では特に人気です。
前述したユーロリーバイスの特徴の一つは、レングスが長いところ。
ヨーロッパを旅すると、ブラックデニムを履く人が非常に多い。スタイリッシュでミニマルの雰囲気は、ヨーロッパの街並みと調和している。
トルコ製だけなのか、革パッチのデザインが、通常のものと違います。そして、後ろベルトループの距離感が近い!偽物か?!と疑ってしまいました(笑
501のフロント開きはボタンフライですが、505はファスナーです。
ところどころにペンキの跡が。これはオーナーの職業に関連した足跡なのか、それともDIYで付いた痕跡なのか。
ジーンズを解体するプロセス
パターンと 見比べながら形を整える工程。何度も調整を繰り返しながら、裁断する箇所を決めます。そしてはさみを入れる瞬間、緊張が走ります。はさみを入れたら、後戻りはできませんから。
その後、コインポケットのリベットを外します。最初の頃は、リベットを外す作業に苦戦をしていましたが、最近ではお手のものに。
外した後は、生地に丸い濃淡の跡があります。それも独自の味わいとして活かしています。
そして、縫い子さんへバトンタッチ。
では、デザインの詳細をご紹介しましょう。
CASE2モデルのデザインは、リメイクジーンズでありながら、大人の雰囲気を醸し出す綺麗めパンツを目指しました。
フロントウエストは、ラップのデザインで、履く人のサイズに合わせて調整できるようになっています。
生地は、オーストラリア産のsuper100'sウールとビスコースをブレンドした梳毛生地です。この特別な素材は、2wayの伸縮性があり、ジャージーのような履き心地です。
さらに、シワになりにくい特性も備えており、お手入れが簡単。手洗いが可能ですが、強めな脱水は避け、日陰でゆっくりと乾燥させてください。この方法で素材の美しさを長く保つことができます。
そして、ウエストを縛るネクタイは、デニムの色と雰囲気に合わせてデザイナーがチョイス。こちらもまたUSEDになります。
グレー地にボルドーのレジメンタル柄。トラディショナルの正に王道ですね。
アップサイクルされたネクタイは、細部にまでエコロジーの配慮がみられると同時に、懐かしさを感じさせられるのではないでしょうか。
裾の仕様にも工夫がされています。お客様の好みに合わせてお直しができるように、デニムはカットオフ始末がされています。長いようであれば、カットしてください。
前後差をつけた裾も、スタイリングのバリエーションを楽しめるように。ヒールを履けば足長効果も感じられます。
バックスタイルにデニムを持ってくることで、座りジワも気にならない。その上リーバイスのボーイッシュなヒップが、ハンサムさをアピール。
リーバイスのアイコン的ポケットのステッチは、リーバイス愛好者であるということを誇示するシンボルとなります。尚且、リメイクアイテムを選ぶことは、お客様が環境への配慮と、未来に残す価値を繋げている証となるのです。リーバイス社も推奨しています!
一つとて同じものはない、リメイクの世界をご堪能ください
いかがですか?
このコンビネーションパンツは、独自のデザインと素材の組み合わせにより、ファッションが大好きな大人の女性へ、とても魅力的なアイテムとなっています。
過去と新たなデザインの共存によって、あなたのファッションに新たなエッセンスとストーリーを紡ぎだすことでしょう。
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