<年代不明トルコ製>NO.9
さまざまなリーバイスを扱うにあたり、年代とどこの国の製造かを調べるのが常になっています。
今回のジーンズは、品質表示が切られていましたので、フロントボタン裏の刻印で確認。
”00”
00?はて、どこの国かしら?

ネットで検索していると、このジーンズがトルコ製であることが判明。年代も2000年以降のものと思われます。
トルコ製のリーバイスは「ユーロ501」とも呼ばれ、ヨーロッパ市場向けのモデルです。特徴は、ヴィンテージ風の色落ちと、やや生地が柔らかく感じられるところ。そして品質も高く評価されています。
このジーンズもナチュラルな色落ちとヒゲが入り、とても好きな仕上がり。
これは絶対カッコ良く仕上がるだろうと、ワクワクしながら購入しました。
ところどころにあるダメージ部分も味がある。
まさしく古着の良さ。



珍しいことに、裾上げが糸でまつってあります。
持ち主が、やったであろう始末ですが、そんなラフさがいいところ。

履き心地や見た目に少々の不完全さがあっても、それが味になる。
ジーンズって、そんなもんだよねと思う。バンバン履いて、ガシガシ洗う。タフに扱うほど、自分だけの風合いや個性が出てくる。私自身もまったく丁寧になんて履きませんからね(笑)
そこで育ったヒゲやダメージが愛おしくなる、不思議なアイテムです。

汚れもあります

ダメージも有り

501といえば、フロント開きはボタンフライ

ステッチの色は2種類。このディテールは、セパでも同じようなステッチ使いをさせていただきました
ジーンズを解体するプロセス
パターンと 見比べながら形を整える工程。
そしてはさみを入れる瞬間、緊張が走ります。はさみを入れたら、後戻りはできませんが、思い切りも大事。
その後、ポケットを外し、皮パッチも取り外します。
外した後の跡も、独自の味わいとして活かしています。
そして、縫い子さんへバトンタッチ。
この工程によって、ジーンズに独自の個性が加わり、一層魅力的なアイテムとして仕上げられます。
では、デザインの詳細をご紹介しましょう
やんちゃな腰履きパンツをイメージしたウエストのデザインが特徴的なデザイン。
フロントスタイルはデニムを履いているように見えますが、バックスタイルからはスラックスを思わせるデザイン。このフロントとバックスタイルのコントラストが、他にはない魅力を生み出しています。

かっこいい雰囲気に仕上がりました
ウエスト部分には、あえてネームを表に見せることで、アイデンティティを強調しました。
ウエストのゴム仕立ては、着用が非常に簡単で快適です。その上、ウエストサイズの変化に対応することができる為、長く着用いただけます。幅広いサイズの方々に対応できるように、緩めの設定をしています。綿100%のツイスト紐で、調整が可能です。

さて、バックスタイルを見てみましょう

シーズンレスとして履けるように、サラリとした梳毛ウールを使用。オーストラリア産のファインメリノウールとリサイクルポリエステルの混紡です。
みなさん、一度は「メリノウール」という言葉を聞いたことがありませんか?
メリノ種の羊から得られる、毛が非常に細く柔らかい繊細なウールです。ファインメリノは、メリノウールの中でも最も細い繊維であり、非常に高品質な素材です。
そのため、生地の表面はサラリとし、肌触りが良い。夏は湿気を逃す特性もあります。
この素材には、リサイクルポリエステルの糸をブレンドしています。リサイクルポリエステルは、廃棄物を再利用して製造されたものであり、環境への負荷を低減しながら高品質な素材を生み出しています。
その上、2wayの伸縮性があり、ジャージーのような履き心地と柔らかな落ち感。さらにはシワになりにくい特性も備えており、お手入れが簡単です。
手洗いが可能ですが、強めな脱水は避け、日陰でゆっくりと乾燥させてください。この方法で素材の美しさを長く保つことができます。
好みに合わせたデザイン
裾の仕様にも工夫がされています。お客様の好みに合わせてお直しができるように、カットオフ始末がされています。長いようであれば、カットしてください。
前後差をつけた裾も、スタイリングのバリエーションを楽しめるように。ヒールを履けば足長効果も感じられます。
その上、後ろ裾が短く仕上げられているため、汚れる心配もありません。


擦れ切れ感がこなれた雰囲気を醸し出す

リーバイスの特徴であるポケット部分のプリントもそのまま生かしています
一つとて同じものはない、リメイクの世界をご堪能ください
いかがですか?
独自のデザインと素材の組み合わせにより、時代を超えたアイテムとなっております。
過去と新たなデザインの共存、そして未来への架け橋に。あなたのファッションに新たなエッセンスとストーリーを紡ぎだすことでしょう。


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