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執筆者の写真Miyoko Masuda

デザイナーが厳選した1本 : レトソ製505 modelCASE1-NO.10

更新日:8月31日


<年代不明レソト製>NO.10

 

また、新しい知識が備わりました。

それが「リーバイスR」です。

これは「レッドタブR」と言い、リーバイスの商品数パーセントだけに、Rマークだけの赤タブを付けています。このタブは社名がないバージョンを含むことで、模倣商品ではないことを示すためだそうです。世界一コピーされるリーバイス、さまざまな工夫をしているのですね。


 

古着のリーバイスを扱うにあたり、年代と製造国を調べるのが常になっています。

今回のジーンズも品質表示が切られており、正式な年代は不明です。

フロントタックボタン裏には "3405" という刻印がありました。

どうやらこれは「レソト」という国のものらしいです。

初めて聞く国でしたが、調べてみると、レソトは南アフリカ共和国に囲まれた小さな国で、1966年にイギリスの植民地から独立しました。現在では、リーバイスやテキスタイル工場が多く、中国人が経営していることが多いそうです。


なるほど...この機会がなければ知り得なかった国でした。




ジーンズのモデルは505

ジーンズ愛好者の中ではおなじみですが、今一度おさらいをしてみましょう。

501といえば、リーバイスの定番中の定番。太ももから裾にかけてストレートのシルエットが特徴です。対照的に、505は裾に向かってテーパードがかかったスリムなシルエットです。ファッションアイテムとして製作されたと言われていますから、近年では特に人気です。


501との一番の違いはファスナー使い



ジーンズを解体するプロセス

パターンと 見比べながら形を整える工程。

そしてはさみを入れる瞬間、緊張が走ります。はさみを入れたら、後戻りはできませんが、思い切りも大事。

その後、ポケットを外し、皮パッチも取り外します。

外した後の跡も、独自の味わいとして活かしています。


そして、縫い子さんへバトンタッチ。


この工程によって、ジーンズに独自の個性が加わり、一層魅力的なアイテムとして仕上げられます。

 


 

では、デザインの詳細をご紹介しましょう

 

やんちゃな腰履きパンツをイメージしたウエストのデザインが特徴的なデザイン。

フロントスタイルはデニムを履いているように見えますが、バックスタイルからはスラックスを思わせるデザイン。このフロントとバックスタイルのコントラストが、他にはない魅力を生み出しています。



ウエスト部分には、あえてネームを表に見せることで、アイデンティティを強調しました。

ウエストのゴム仕立ては、着用が非常に簡単で快適です。その上、ウエストサイズの変化に対応することができる為、長く着用いただけます。幅広いサイズの方々に対応できるように、緩めの設定をしています。綿100%のツイスト紐で、調整が可能です。




ポケットの取った後も味わいに


傷があります。ご了承ください




さて、バックスタイルを見てみましょう

シーズンレスとして履けるように、サラリとした梳毛ウールを使用。

オーストラリア産のファインメリノウールとリサイクルポリエステルの混紡です。


みなさん、一度は「メリノウール」という言葉を聞いたことがありませんか?

メリノ種の羊から得られる、毛が非常に細く柔らかい繊細なウールです。ファインメリノは、メリノウールの中でも最も細い繊維であり、非常に高品質な素材です。

そのため、生地の表面はサラリとし、肌触りが良い。夏は湿気を逃す特性もあります。

 

この素材には、リサイクルポリエステルの糸をブレンドしています。このリサイクルポリエステルは、廃棄物を再利用して製造されたものであり、環境への負荷を低減しながら高品質な素材を生み出しています。

 

その上、2wayの伸縮性があり、ジャージーのような履き心地と、柔らかな落ち感。さらにはシワになりにくい特性も備えており、お手入れが簡単です。

手洗いが可能ですが、強めな脱水は避け、日陰でゆっくりと乾燥させてください。この方法で素材の美しさを長く保つことができます。




今回は、フロント丈がちょうど良さそうでしたので、裾はカットしませんでした。元のオーナーさんが丈詰めをしていましたが、裾の当たりが綺麗にでており、そのまま生かしました。

前後差をつけたデザインは、スタイリングのバリエーションを楽しめるように。ヒールを履けば足長効果も感じられます。

その上、後ろ裾が短く仕上げられているため、汚れる心配もありません。



形は同じでも1点1点違うところがリメイクの魅力

 

いかがですか?

独自のデザインと素材の組み合わせにより、時代を超えたアイテムとなっております。

過去と新たなデザインの共存、そして未来への架け橋に。

あなたのファッションに新たなエッセンスとストーリーを紡ぎだすことでしょう。






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